3 クロが家を探して新しい、生活 その日からどれほど経ったのであろうか? 土曜日の仕事が終わり帰宅する時、 クロを車に乗せて自分宅で一晩だけ家に泊めようと思い帰る。 なぜそうしたのかと言うのは、 毎日、仕事を終えて変えるときに車のバックミラーに映っている クロの姿が寂しく映り、バックミラーを見るのが本当に辛かった。 家で一緒に住むことは、以前ノラが車に跳ねられて命を落としてしまったから 二度とあの悲しみはしたくない、それを思うと家では飼えないのだ。 そんな気持ちがあって工場で飼っていた。 一晩だけはと考え家に入れた。 クロは物珍しそうに家の中を行ったり着たりと、 隅々に冒険していたクロ。 一緒にご飯を食べ夜遅くまで遊び そして朝が来る。 「さ~ぁ・・・クロ・・・クロの家に帰るヨ~・・」と 車に乗せて工場に送る、日曜日であった。 その日は午後3時ごろまでいつもの日曜日の生活に戻っていたが、 ところがこの日は違っていた。 私がテレビを見ていると表で猫の鳴き声が聞こえてきたが、 ノラ猫がウロウロしているんだと思っていた、 近くでしつこく泣くので、 ヒョットして ”まさか・・クロがここへ・・・・」と 頭をよぎった!!!。 そんな事がある訳が あるはずは無い・・・そう思いながら、 表をそっとのぞいて見た???? 「アッ・・・クロだ~・・・・」 あわててドアを開け、自分は表に飛び出してクロを抱き上げた。 「クロ・・お前どうしてここが分かったんだ~・・・」 「お前・・俺と一緒がいいのか~・・・・」 クロはただ ニャーゴ・・ニャーゴ・・・と泣くばかりである。 自分では、クロが私の家に来た事が納得できない。 クロを車に乗せて曲がりくねった道を走って来ているのに、 猫が一度でこの道筋を分かるはずがない??。 そして私の家には始めて連れて来たのに不思議である。 猫がこれほど記憶力がいいとは思っても居ない。 人の話では住み慣れた家に何日もかけて帰ると言うことは、 時々聞かされている。 このクロにかぎっては、そんな話ははてはまらない。 初めて来た家を探し求めて来たのだ??? 動物の本能を超越した、このクロネコには、驚かされた。 この様な猫を誰に話しても信じてもらえないだろうな!!。 これが現実に起きてしまった。 このクロネコには、まだ信じられない事があり、 もう少し後で話をしよう。 我が家で暮らすクロ そしてこれからは、私達と同じ屋根の下で暮らす事になる。 クロが危険を承知でこの家を自分から選ん出来たのだ、 車に引かれない様に気をつけてあげなければと、 そればかりが気になる。 この家に一匹家族が増えて少しにぎやかな我が家になった。 ここで困ったのは、猫嫌いのお婆さんと家内の問題が残っている。 これは、自然に任せるしかない、 その日の夜は、クロの寝る場所は、クロに任せ、 何処か見つけて寝たのであろう・・・・ 夜が明け、一日の始まりである。 クロも私達とご飯を食べた。 人間と一緒に朝を迎えて、どんなに嬉しかったのだろうか・・ 私はいつもの様に仕事に出かける。 工場に行く前に仕事先に出向き30分ほど後に工場に付く。 工場のカギを開けようとしたとき!!!。 なんと・・・クロが・・・工場に来ているではないか??? 私は、どうなっているんだ~・・・ 「クロ~・・お前・・電車に・車に跳ねられてしまうヨ~・・」 「たのむから~じっとしててくれ~・・」と クロを抱き上げて、頭をなでる自分・・・ この出来事を働いている人に話しても誰も信じてもらえなかった。 この日は、変わりなく仕事を終えて、 クロを車に乗せ家に帰る。 この行動が3~4日続いたのである。 私はクロが毎日行ったり来たりしていたら。 事故に逢ってしまうだろうと思い。 私と同じ行動をたとらなければならなくなった。 朝 出かける時にクロを車に乗せ仕事場に出勤する。 こんな生活は聞いた事は無いし不思議な、 猫と私の世界になった。 こんな事が一ヶ月も続くと、 クロは、なれて来て車のドアーを開けると、 自分から飛び乗ってくる。 車に乗ることがいつしか好きになっていたクロである。 クロは、私の言葉が分かるのかどうかは分からないが。 時々 「クロ~・・ドライブに行こうカ~・・・」 と誘うと、クロは車の横に来てドアーを開けるのを待っている。 こうした生活が続いていく我が家で、 次第にお婆さんになつくいて行くが、決して私から、 離れようとしないクロである。 暴れん坊のクロへつづく ---------------- ホーム へ |